ミューズ音楽院マスターコースで授業『ミュージックNOW』を担当の井口慎也(いぐちしんや)先生が、イギリスを代表する有名バンドやUKロックの代表曲、そこから影響を受けたアメリカのバンドをご紹介していきます。
英国ブリティッシュ・サウンドTop 10
ビートルズ『ザ・ロング・ワン』
The Beatles – The Long One 1969年
まずブリティッシュといえばビートルズ。名曲めじろおしで1曲に絞るのが難しいので、11曲のメドレー『ロング・ワン』で成り立っているアルバム『アビーロード』のB面を是非きいて頂きたいです。メンバーが横断歩道を渡っているジャケ写は、あまりにも有名ですね。
クイーン『ボヘミアン・ラプソディ』
Queen – Bohemian Rhapsody 1975年
イギリスのロック・バンド。6分の楽曲の中にアカペラ、バラード、オペラ、ハードロックを混ぜるという大胆なアレンジで、45年以上たった今でも全く色あせる事がありません。2018年に大ヒットした同名映画でも、再脚光を浴びました。
テンシーシー『アイム・ノット・イン・ラヴ』
10cc – I’m Not In Love 1975年
イギリスのポップ・バンドによるバラード。サンプリングもまだ発明されていなく、多重録音がまだ初期の段階であった頃に、どうやってあれほどのコーラスを重ねる事ができたのでしょうか。ビリー・ジョエル(Billy Joel)が代表曲『素顔のままで(Just the Way You Are)』でアレンジをインスパイアされた事でも有名。 両方とも素晴らしい曲なので、聴き比べても面白いです。
ピンク・フロイド『マネー』
Pink Floyd – Money 1973年
イギリスのプログレッシブ・ロック(略してプログレ)の先駆的バンド。ギターソロ以外7/4拍子で成り立っている曲です。イントロで鳴っているレジや小銭のリズムループは、現在のデジタルな手法とは異なり、実際に磁気テープを部屋中に巡り回して輪(ループ)にして再生したもの。テレビでお金の画になると、大体この曲かABBAの『Money, Money, Money』が使用されています。
エレクトリック・ライト・オーケストラ『ミスター・ブルー・スカイ』
Electric Light Orchestra – Mr. Blue Sky 1977年
ビートルズ大好きジェフ・リンが率いるELOのポップ・シンフォニー。シンセと弦楽器とコーラスの融合が聴きどころです。ちなみに、TVドラマ『電車男』のオープニングで用いられた『Twilight』と同じバンドです。
ポリス『ロクサーヌ』
The Police – Roxanne 1978年
パンクが流行っていた70年代のイギリスにあって、ロックにポップ、レゲエ、ジャズやアフリカのリズムなどを取り入れたトリオ「ザ・ポリス」のファースト・シングル。「ホワイト・レゲエ」とも呼ばれました。パンクブームに乗っかろうとしてわざとなのか、びっくりするほど音質が悪いですが、永遠の名曲です。
イエス『ラウンドアバウト』
Yes – Roundabout 1972年
イギリスのプログレ界を代表するバンド「イエス」の、名作と言われる4枚目のアルバムから。全盛期の作品で、彼らの魅力が詰まっています。アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 第1部』のED(エンディング)曲に使用されています。
スーパートランプ『ブレックファスト・イン・アメリカ』
Supertramp – Breakfast in America 1979年
日本ではあまり知られていませんが、前述の10ccやELOと肩を並べるイギリスのバンド「スーパートランプ」。普通のポップバンドの編成に、クラリネットのハマり方が絶妙なのです。
ジェリーフィッシュ『ファンクラブに入るなら』
Jellyfish – Joining a Fan Club 1993年
アメリカのパワーポップ・バンド。ドラマーがボーカリストです。ブリティッシュ・サウンドのオタク達がアイディアを出し合ってバンドを作ったら、このバンドになるんだろうなと勝手に想像してしまいます。90年代に2枚のアルバムを出して、惜しくも解散してしまいました。
ベン・フォールズ・ファイヴ『ジャクソン・カナリー』
Ben Folds Five – Jackson Cannery 1995年
アメリカのスリーピース・バンド。ギターレスのピアノロックですが、エネルギッシュなパンク要素があったり、やはりブリティッシュ・サウンドに強く影響されていて聴き所が満載なファースト・アルバムからの1曲目。セカンドでは日本語で歌った『金返せ』という曲もあります。 惜しくも90年代に解散してしまいました。
井口慎也
いぐちしんや Shinya Iguchi
ギタリストや作編曲家として大活躍中。7歳から18歳までアメリカとイギリスで過ごし、英米音楽に詳しい。また、イギリスの伝説的ロックバンドQueen(クイーン)のトリビュート・バンド「Gueen(グイーン)」のブライアン・メイ役としても長年活躍しています。
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ミューズ音楽院 マスターコース
音楽大学や専門学校の卒業後の上級2年コース
ボーカル、プレーヤー、作曲編曲