ミューズ音楽院マスターコース講師で、ギタリストと作編曲家として大活躍中の、井口慎也(いぐちしんや)先生がおすすめする「ブリティッシュ・サウンドTop 10」です。イギリスを代表する有名バンドやUKロックの代表曲、そこから影響を受けたアメリカのバンドをご紹介していきます。

マスターコース講師の井口慎也先生
マスターコース講師の井口慎也先生

井口先生は7歳から18歳までアメリカとイギリスで過ごされたので、とても英米音楽に詳しいのです。さらに、イギリスの伝説的ロックバンドQueen(クイーン)のトリビュート・バンドGueen(グイーン)のブライアン・メイ役としても長年活躍されています。

英国ブリティッシュ・サウンドTop 10

ビートルズ『ザ・ロング・ワン』

The Beatles – The Long One 1969年

まずブリティッシュといえばビートルズ。名曲めじろおしで1曲に絞るのが難しいので、11曲のメドレー『ロング・ワン』で成り立っているアルバム『アビーロード』のB面を是非きいて頂きたいです。メンバーが横断歩道を渡っているジャケ写は、あまりにも有名ですね。

クイーン『ボヘミアン・ラプソディ』

Queen – Bohemian Rhapsody 1975年

イギリスのロック・バンド。6分の楽曲の中にアカペラ、バラード、オペラ、ハードロックを混ぜるという大胆なアレンジで、45年以上たった今でも全く色あせる事がありません。2018年に大ヒットした同名映画でも、再脚光を浴びました。

テンシーシー『アイム・ノット・イン・ラヴ』

10cc – I’m Not In Love 1975年

イギリスのポップ・バンド。サンプリングもまだ発明されていなく、多重録音がまだ初期の段階であった頃に、どうやってあれほどのコーラスを重ねる事ができたのでしょうか。Billy Joelが『Just the Way You Are』でアレンジを丸パクリした事でも有名です。

ピンク・フロイド『マネー』

Pink Floyd – Money 1973年

イギリスのプログレッシブ・ロック(略してプログレ)の先駆的バンド。ギターソロ以外7/4拍子で成り立っている曲です。イントロで鳴っているレジや小銭のリズムループは、現在のデジタルな手法とは異なり、実際に磁気テープを部屋中に巡り回して輪(ループ)にして再生したもの。テレビでお金の画になると、大体この曲かABBAの『Money, Money, Money』が使用されています。

エレクトリック・ライト・オーケストラ『ミスター・ブルー・スカイ』

Electric Light Orchestra – Mr. Blue Sky 1977年

ビートルズ大好きジェフ・リンが率いるELOのポップ・シンフォニー。シンセと弦楽器とコーラスの融合が聴きどころです。ちなみに、TVドラマ『電車男』のオープニングで用いられた『Twilight』と同じバンドです。

ポリス『ロクサーヌ』

The Police – Roxanne 1978年

パンクが流行っていた70年代のイギリスにあって、ロックにポップ、レゲエ、ジャズやアフリカのリズムなどを取り入れたトリオ「ザ・ポリス」のファースト・シングル。「ホワイト・レゲエ」とも呼ばれました。パンクブームに乗っかろうとしてわざとなのか、びっくりするほど音質が悪いです。

イエス『ラウンドアバウト』

Yes – Roundabout 1972年

イギリスのプログレ界を代表するバンド「イエス」の、名作と言われる4枚目のアルバムから。全盛期の作品で、彼らの魅力が詰まっています。アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 第1部』のED(エンディング)曲に使用されています。

スーパートランプ『ブレックファスト・イン・アメリカ』

Supertramp – Breakfast in America 1979年

日本ではあまり知られていませんが、前述の10ccやELOと肩を並べるイギリスのバンド「スーパートランプ」。普通のポップバンドの編成に、クラリネットのハマり方が絶妙なのです。

ジェリーフィッシュ『ファンクラブに入るなら』

Jellyfish – Joining a Fan Club 1993年

アメリカのパワーポップ・バンド。ドラマーがボーカリストです。ブリティッシュ・サウンドのオタク達がアイディアを出し合ってバンドを作ったら、このバンドになるんだろうなと勝手に想像してしまいます。90年代に2枚のアルバムを出して、惜しくも解散してしまいました。

ベン・フォールズ・ファイヴ『ジャクソン・カナリー』

Ben Folds Five – Jackson Cannery 1995年

アメリカのスリーピース・バンド。ギターレスのピアノロックですが、エネルギッシュなパンク要素があったり、やはりブリティッシュ・サウンドに強く影響されていて聴き所が満載なファースト・アルバムからの1曲目。セカンドでは日本語で歌った『金返せ』という曲もあります。 惜しくも90年代に解散してしまいました。

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