「音楽で、プロでやっていける人ってごく一部の人ですよね?」と言われることがときにあります。確かにその通りで、プロのミュージシャンとしてやっていける人は一部の人です。ただ、どうして音楽など芸術分野に関してだけそのように言われるのかな、と不思議に思うこともあります。
どんな分野でも
例えば、大学の法学部に行って弁護士や裁判官になる人はどのくらいいるでしょう? 野球部やサッカー部などに所属している人で、全国大会に出場したり、プロスポーツ選手になれたりする人はどのくらいいるのでしょう? 同じように、実はごく一部の人に限られると思います。ではそうした学部に行くことや、好きなスポーツに真剣に取り組むことは無駄なことや、リスクの高いことなのでしょうか? まったくそんなことはないと思います。どんな分野であれ、そこで培った経験や知識は、人生においてとても大切なものであり、有効なものなのです。
アメリカの有名大学では音楽教育が有効
実際アメリカの有名大学では音楽を学ぶことを積極的に勧めています。『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる〜21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』(アルテスパブリッシング)を参照すると、ハーバード大学では「多様な価値観を理解する力」を育むのに、マサチューセッツ工科大学では「創造的な思考力」を高めるために、音楽教育が有効だと捉えています。
大企業のトップになる方の中にも
日本でも、大企業のトップになる方が、実は音楽に長けているという例があります。SONYの最高経営責任者であった大賀典雄氏は東京藝術大学声楽科を出て、ベルリン国立芸術大学に留学し卒業した声楽家でもあり、オーケストラの指揮をすることもたびたびありました。ZOZOTOWNを急成長させた前澤友作氏はSwitch Styleというハードコア・パンク・バンドのドラマーとしてメジャーデビューしていた経歴もあります。
そうした大きな例でなくても、本音楽院を卒業した後、音楽で培った感性を生かして、音楽以外の分野で成功し、充実した人生を送っている卒業生たちがたくさんいます。大切なことは「自分らしさ」を伸ばすことで、実はそれこそが全ての分野において基礎になると本音楽院は考えています。それは、創設以来の長い歴史の中で、多くの卒業生たちを実際に見てきて、確信を持って言えることです。ですので、自信を持って、安心して、好きな音楽を学んでいただければと思います。
ミューズモード音楽院
新人開発担当
手島 将彦