ニルヴァーナをはじめとするグランジバンド四天王と代表曲まとめ

グランジとは？

グランジ（グランジ・ロック）は、1980年代後半に、アメリカのシアトルを中心に興った新しいロック・ムーブメントです。グランジ（grunge）という言葉には元々「汚い、不愉快な、粗悪な」という意味があります。

当時のアメリカは、若者の失業率の高まり、格差の拡大、それらに伴う社会不安とドラッグの蔓延など、問題が山積みの時代でした。そんな社会の空気の中で、それまでのゴージャスで煌びやかなロック・スター／ポップ・スターのサウンドや見た目よりも、暗く重く激しいサウンド、時に虚無的で、社会へのネガティブな感情や反抗心を歌う歌詞、ダメージ・ジーンズに古着のシャツやT-シャツという装い（「グランジファッション」画像検索）のグランジの方が若者にとってリアルに響き、一気に音楽シーンやファッションを塗り替えていきました。

多くのグランジ系のバンドを輩出したシアトルのインディーズ・レーベルのSUB POPは、その後も多くの良質なアーティストをリリースし続け、現在ではアメリカの主要なレーベルの一つに成長しています。

グランジ四天王

グランジを象徴するバンドとして、Nirvana（ニルヴァーナ）、Pearl Jam（パール・ジャム）、Soundgarden（サウンドガーデン）、Alice In Chains（アリス・イン・チェインズ）の４組が挙げられることが多く、この４組を指して「グランジ四天王」と呼ぶことがあります。

それでは、彼らの代表曲・名曲をご紹介！！

Nirvana （ニルヴァーナ）

Nirvanaはグランジで最も有名なバンドで、代表曲といえばこの「Smells Like Teen Spirit」でしょう。リリース後、徐々に話題となり、最終的には英米でトップ10ヒット、アルバム『Nevermind』は全米および世界でナンバー・ワンを獲得する爆発的なヒットとなりました。このMVも、MTV Video Music Awardにて最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴグループ賞を受賞し、時代を象徴する１曲となりました。2024年時点でYoutube再生回数はなんと19億回を超えています。2014年にはロックの殿堂入りも果たしました。

中心人物のカート・コバーンは、２７歳で自殺してしまいますが、その音楽だけでなく、時代を先取りするような、女性やLGBTQなどに対する様々な差別に反対する主張など、その姿勢も含めて現在に至るまで音楽界に大きな影響を与えました。

『Smells Like Teen Spirit』（ 1991年）

『Come As You Are』(1992年）

ニルヴァーナの中心人物であるカート・コバーンをモデルとした映画もあります。

Last Days　（ラストデイズ）

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Pearl Jam（パール・ジャム）

1990年にシアトルで結成。世界で8,500万枚を超えるアルバムを売り上げていて、2017年には「ロックの殿堂」入りを果たしました。彼らはキャリアのごく初期から慈善事業にとても積極的であることも知られています。彼らのヒット曲『Even Flow』はホームレスがテーマで、彼らの社会問題への意識の高さが表れています。

Even Flow （1992年）

Jeremy （1992年）

Soundgarden（サウンドガーデン）

1984年結成の、グランジの先駆け的存在であり、グランジ・ムーブメントを牽引してきたバンドです。1994年リリースの4thアルバム『Superunknown』が全米１位を獲得し、この『Black Hole Sun』はグラミー賞のベスト・ハードロック・パフォーマンス賞を受賞しました。

『Black Hole Sun』(1994年）

『Spoonman』(1994年）

Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）

1987年シアトルで結成。1994年には『アナザー・サイド・オブ・アリス（Jars Of Flies）』が全米アルバム・チャートで1位を獲得。印象的なツイン・ボーカルと重厚なギターリフが特徴的なバンドです。

『Man In The Box』(1991年）

『Would ?』(1992年）

グランジのルーツとなったバンド２組

Melvins（メルヴィンズ）

グランジ四天王と呼ばれるバンドたちに多大な影響を与えたバンドの一つがMelvins（メルヴィンズ）です。1980年初頭に結成した彼らは、元々は当時のUSインディーズシーンで流行っていた、テンポの早いパンクロック・バンドでしたが、次第に「重く・遅く・暗い」サウンドを志向するようになり、シアトルの音楽シーンを大きく変えていきました。ニルヴァーナのカート・コバーンがこのバンドの熱狂的なファンであったことも知られています。