【アレンジ命】講師おすすめ編曲がかっこいい名曲10選 中祐人先生

本校コンポーザー・アレンジャー専攻およびマスターコースのコンポーズ授業を担当されている中祐人(なかゆうと)先生は、東京藝術大学作曲科を卒業後、クラシック、ジャズ、ロック、ポップスに至る幅広い数々のアーティストや作品に携わられるとともに、同専攻卒業生のデビュー実績にも数多く貢献されている看板講師でもあります。

編曲の素晴らしさを堪能できる10曲

10 songs of excellent arranging

素晴らしい編曲で、コンポーザー(作曲家)やアレンジャー(編曲家)を志す人には是非、聴いてほしい曲や人を選びました。

サブテーマとして、日本人の編曲家と海外(主にアメリカ)の編曲家を5人ずつ選んでいます。

(一部クレジットに作曲も含まれています)

『青春の輝き』カーペンターズ

I Need to Be in Love – Carpenters 1976年

編曲:リチャード・カーペンター Richard Carpenter

ポップスのアレンジの教科書のような楽曲を次から次へと生み出していた、リチャード・カーペンター。編曲の技術も素晴らしく、楽器の使い方などまさにお手本であり、編曲家として5度もグラミー賞にノミネートされています。しばしば原曲の作曲者ですら彼のアレンジには敬意を表していたと言われていますが、一見なんでもないようなアレンジを紐解いていくと、その発想の豊かさとそれを作品として完成させる信念が感じ取れます。

『メイン・テーマ』薬師丸ひろ子

Main Theme – Hiroko Yakushimaru 1984年

編曲:大村雅朗 Masaaki Omura

非常に音数が少なく一切余計なもの、無駄なものがない楽曲。しかしそれでいて聴いていて飽きてしまう、つまらないなど思い起こさせることのないとても密度の濃い楽曲がそこにあります。小気味好いリズムの変化に乗せた気の利いたオブリガートや対旋律。色彩豊かなオーケストレーション。歌う、というより歌詞の世界を演じるような薬師丸ひろ子の歌も相まって考え抜かれた構成のブックエンドで閉じたエンディングを聴き終えた時には3.30秒の映画を観たような気にもさせてくれます。

ス・ワンダフル』ダイアナ・クラール

‘S Wonderful – Diana Krall 2001年

編曲:クラウス・オガーマン Claus Ogerman

おそらく編曲をする人で、オガーマンを知らないという人はいないと言ってもいいくらい重要な人物です。ジャズ/ポップス/ロックをはじめあらゆる音楽の編曲をしていますが、そのすべてが素晴らしい。中でも特にストリングスの美しさは特筆すべきで、アレンジャーなら「こういう風にしたい」と思わずにはいられません。

『果てなく続くストーリー』ミーシャ

Hatenaku Tsuzuku Story –MISIA 2002年

編曲:服部隆之 Takayuki Hattori

服部さんは技術力が非常に優れているので、さらっと流して聴くと何もしていないような気がしてしまいますが、細部まで考え抜かれた妥協の一切ない編曲がここにあります。この曲ではスケール感の大きい、流れるようなストリングスがとても美しい。

『ピック・ユアセルフ・アップ』エラ・フィッツジェラルド

Pick Yourself Up – Ella Fitzgerald 1962年

編曲:ネルソン・リドル Nelson Riddle

ネルソン・リドルの無駄がなく美しいアレンジが素晴らしい。歌を一切邪魔することなく、それでいて躍動感のあるオーケストレーションは必聴です。

『この世の限り』椎名林檎

Kono Yo No Kagiri – Sheena Ringo 2007年

編曲:斎藤ネコ Neko Saito

ブロードウェイのショーミュージックを彷彿とさせる、見事な楽曲に仕上げています。この曲が収録されているアルバム「平成風俗」には、他にも素晴らしい編曲の楽曲が目白押しなので、是非聴いてもらいたいです。

『ピーター・ガンのテーマ 』 ヘンリー・マンシーニ

Peter Gunn – Henry Mancini 1959年

名作曲家ヘンリー・マンシーニが手掛けたアメリカの探偵ドラマ『ピーター・ガン』のためのテーマ曲。ヘンリー・マンシーニの18番のジャズ風の音楽で、今聴いても古さを感じさせることはありません。映画『ブルース・ブラザーズ』(1980年)はじめ、今でも色々な場面で使用されているので、どこかで聴いたことがある人も多いのでは。

『古畑任三郎』本間勇輔

Opening Theme (from ‘The Great Detective Mr. Ninzaburo Furuhata’) – Yusuke Honma 1994年

オーケストレーション:丸山和範 Kazunori Maruyama

クレジットは編曲ではなくオーケストレーションとなっていますが、この楽曲の素晴らしさの秘訣はオーケストレーションにあるといっても言い過ぎではないでしょう。ジャンルを超越した仕上がりになっている楽曲を是非聴いてもらいたいです。

『タラのテーマ』〜映画『風と共に去りぬ』より  マックス・スタイナー

Tara’s Theme – Max Steiner 1939年

編曲:マックス・スタイナー Max Steiner

クラシック音楽の作曲もしていましたが、のちに映画音楽の作曲家、編曲家、オーケストレーターとしてアメリカの映画音楽の初期に活躍しました。編曲に焦点をあてて楽曲を選んでいますが、この曲は作曲もマックス・スタイナーが行なっています。

アニメ『赤毛のアン』のOP&ED

Akage no Anne – Akira Miyoshi

作曲:三善晃 Akira Miyoshi

アニメ作品『赤毛のアン』は、TV番組『世界名作劇場シリーズ』の中で1979 年に放映されていたもの。オープニングテーマ曲『きこえるかしら』はアニメーションと歌詞の世界観をあますところなく表現した、素晴らしい楽曲に仕上がっています。エンディングテーマ曲『さめないゆめ』はアニメーションがなく、額縁のような絵が一枚あるだけで、そこにスタッフロールが流れていくだけなのですが、この楽曲に逸話があるほどの素晴らしい楽曲になっています。

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