MVとPV
これよく聞きますが、同じ意味で解釈されることがほとんどです。
プロでもよく混同して使っているので、そんなに気にしない!ってことであればどちら使ってもOKです!

でも、実はちゃんとした違いがあるのです

MVとは?PVとは?

同じ意味で使われることの多いPVとMVですが、実は明確な違いがあります。

PVとは
「プロモーションビデオ」の略です。
商品紹介や会社案内などを宣伝するために創る動画のことをPVと呼びます。
つまりは音楽だけでなく、様々なものをプロモーションする為の動画の総称をPVと呼びます。

MVとは
「ミュージックビデオ」の略です。
音楽を専門としたその楽曲の世界を映像化したものを言います。
また世界観だけでなく、「 FIRST TAKE」のような1カメ1カットで構成されたものやリリックムービーもMVと呼びます。

ではなぜPVとMV、混同して使われるようになったのでしょう?

それは日本のミュージックビデオの成り立ちがプロモーションに大きく比重が割かれていたからです。
MVは1970年頃からあり、イギリスで制作されたのが始まりと言われています。
その当時は記録映像的な意味合いが強く、LIVE映像を繋ぎ合わせて構成されたものなど、「音楽の世界観を伝える」とは少し意味合いが違いました。

MVが大きく飛躍したのは1981年に登場したアメリカのケーブルチャンネル「MTV」が大きな影響を与えました。
24時間ポピュラー音楽映像を流し続けるスタイルが若者を中心に絶大な人気を誇り、その影響からアーティストはMVを制作することが当たり前になると同時に、売り上げチャートを左右するようになりました。
また映画と違い短い時間で世界観を表現するMVは実験的な手法で撮影するにはもってこいで、映画では見られない特別な映像をアーティスト達が表現することで人気を確立しました。

アメリカでMVの基礎ができると、それは日本にもやってきました。
1980年代の日本の音楽番組はほとんどが生放送で、録画、編集されたビデオは珍しい部類でした。
1980年代後半になると日本でもMTVのような番組が制作され、MVの必然性が高まってきます。
アメリカでは映像表現の芸術性がアーティストの価値観を高める「MV」という価値観が根付いていましたが、それには莫大な予算が必要とされ、芸術性を高めるよりも日本ではあくまでもアーティストを売る、CD売る為の「プロモーションビデオ」として制作されました。
実際その頃の制作現場では「MV」よりも「PV」と呼ぶことがほとんどでした。

これが今日におけるMVとPVが混同される一因となっています。

これは凄い!面白い!必見MV10選

PVとMVの違いがわかったところで、これは必見のMVをご紹介!
一度見たら忘れられない映像ばかりです!

『My Hero』Foo Fighters

マイヒーローとはこういうことか!と思う1カット映像。
これ実際に燃えてますよね?
撮影が1カットということは、メンバーも意図を理解しながら、ダッシュ移動しつつ撮影したんだろうか?

『アルクアラウンド』サカナクション

とても不思議かつ考えられたMV。
撮影場所は幕張メッセで、1カット映像のように見えるループ映像になってます。これはアーティストもカメラマンもメンバーもアシスタントも一致団結しないと不可能。1日で撮影したそうですが、テイクを何度も重ねられないので、もうみんな必死だったろうなぁと思います。

『The One Moment』OK Go

面白いMVといえば「OK Go」
どのMVを見ても秀逸なのですが、これは発想含めすごい。
まず初めに4.2秒の映像からスタート。
曲名の「The One Moment(一瞬)」をこの4.2秒で表現しています。
それをハイスピードカメラで撮影していて、本編はスローモーションで構成しています。
これが最高!まさに一瞬の芸術です!

『Polynasia』Takkyu Ishino

このMVの緊張感を是非みんな味わってほしい!
曲とMVの構想が不思議にマッチングしていて、8分と長い構成なのにずっと緊張感のあるこの構成。
これはとても素晴らしい!ガスダイバクハツ!

『Intergalactic』Beastie Boys

はじまりは宇宙。
そこから地球外生命体が東京渋谷に降り立つところからスタートするこのMV。
Beastie Boysは独特の世界観でいつもMVを撮影しますが、これはとても面白い。ほとんどゲリラ撮影で、今では絶対に撮影不可能だと思うことを新宿、都庁などでやってます。

『Vertigo』U2

スペインのエブロ川のデルタ地帯で撮影されたこのMV
超かっこいい!
曲名はアルフレッド・ヒッチコックの映画『めまい』(Vertigo)から取られました。
ボノ曰く「ナイトクラブに巣くう使い古された魂の歌」とのことで、このMVも魂なる黒い影が噴き出てます!

『Virtual Insanity』Jamiroquai

超有名な不思議MV。
スペースカウボーイの時も不思議映像でしたが、後にモーションコントールカメラというテクノロジー(当時)で撮影されたと知り、今回もなにか特別な撮影技術なのか?と思ったけど、人力でした。
これ床じゃなくて壁が動いてます。しかも人力で。
途中も鳥や虫はもちろんCGなんですが、うまいこと融合していてとても不思議なMVです。

『LEGO 8-bit trip』Rymdreglade

スウェーデンの2人組テクノユニット、Rymdreglade。
この作品はレゴブロックを使ったコマ撮りでつくられています。
この作品に携わった人、全員根性ありすぎるでしょう!

『Star Guitar』The Chemical Brothers

超有名映像作家ミシェル・ゴンドリー」の作品です。
最初、普通に見てると???なのですが、よーく見てると気づきます。
これ音を映像にしたらこんな風になるよってMVです。
映像に出てくるモノがリズムになってます。
ループとモノと風景をマッチングさせた脅威のMVです。

『Come Into my World』Kylie Minogue

これもミシェル・ゴンドリー作品。
すごい不思議!
街中をぐるぐると歩くカイリーがだんだんと増えていく(街中に存在する人々も同じように増殖していく)という内容です。
いや、これ22年前に創られているんです。
いまなら合成技術も上がってますので、出来ますよ。
でも当時の環境を考えたら凄いの一言です!