アメリカ・カリフォルニア出身で、ミューズモード音楽院ドラム専攻主任講師スコット・レイサム先生がオススメする「アメリカやイギリスのドラムがかっこいい洋楽ポピュラーミュージック(ロック、ファンク、ソウル)10選」です。
いずれも現在の音楽に影響を与えた重要人物と重要曲ですので、ドラムを叩いている方、かっこいいリズムパターンを探している方、いいフィールを知りたい方はぜひ聴いてほしいと思います。
ドラムがかっこいい洋楽ロック、ファンク、ソウル10選
『グッド・ゴリー・ミス・モリー』リトル・リチャード
Good Golly Miss Molly – Little Richard 1958年
チャック・ベリーとともに「ロックンロールの父」と呼ばれています。ピアノ主体の曲作りで、ブレイク前のジミ・ヘンドリックスがギタリストとしてバンドに在籍していた事でも有名。ポール・マッカートニーやプリンスなど、影響を受けたミュージシャンは数多いです。
『リスペクト』アレサ・フランクリン
Respect – Aretha Franklin 1967年
ドラム:ロジャー・ホーキンス Roger Hawkins
「クィーン・オブ・ソウル」の代表曲。大御所ミュージシャンたちが出演した伝説の音楽映画『ブルース・ブラザーズ2000』でも、この曲を披露しています。ドラムは、『男が女を愛する時』や『ダンス天国』など数々のヒット曲に参加しているロジャー・ホーキンスです。
『コールド・スウェット』ジェームス・ブラウン
Cold Sweat – James Brown 1967年
ドラム:クライド・スタッブルフィールド Clyde Stubblefield
「ソウルのゴッドファーザー」が全米1位を記録した曲。この曲でリズムを重視するファンクの方程式を打ち立てたとされています。ドラムのクライド・スタッブルフィールドはJBのバンドで一時代を築き、数々のファンクビートを生み出しました。
『ホンキー・トンク・ウィメン』ザ・ローリング・ストーンズ
Honky Tonk Women – The Rolling Stones 1969年
ドラム:チャーリー・ワッツ Charlie Watts
『サティスファクション』と並び、ロック界の最高峰に君臨するバンドの代表曲とされています。アメリカ生まれのブルースをイギリス流に昇華させた名曲で、ドラムはオリジナルメンバーのチャーリー・ワッツ。ジャズに影響を受けたドラミングで、ストーンズ独特の音作りを支えました。
『ババ・オライリィ』ザ・フー
Baba O’Riley / The Who 1971年
ドラム:キース・ムーン Keith Moon
ビートルズ、ローリング・ストーンズと並び、イギリスの三大バンドに数えられます。シンセサイザーを駆使し、テクノポップを先取りしたプログレッシブな曲。ドラムのキース・ムーンはドラムセットを破棄するなど豪快で個性的なスタイルで、パンクのルーツとされる『マイ・ジェネレーション』など多数の代表曲で活躍しました。
『ア・ハード・デイズ・ナイト』ザ・ビートルズ
A Hard Day’s Night – The Beatles 1964年
ドラム:リンゴ・スター Ringo Starr
バンド初主演映画『ハード・デイズ・ナイト』のオープニングナンバーで、曲名はドラムのリンゴ・スターが呟いた言葉に由来。ビートルズのグルーヴを支えた縁の下の力持ち的存在で、左利きのところ右利き用のセットでプレイ、技巧よりもフィーリングを重視したスタイルは多くのドラマーに影響を与えました。『イエロー・サブマリン』などリードボーカル曲もあります。2018年にナイトの称号を授与されました。
『ダンシング・デイズ』レッド・ツェッペリン
Dancing Days – Led Zeppelin 1973年
ドラム:ジョン・ボーナム John Bonham
ハードロックやヘヴィメタルの先駆バンドによる超名曲。ミドルテンポの明るい曲で、単一ギターリフの繰り返しで曲を成立させています。ドラムのジョン・ボーナムは代名詞「頭抜き3連」のパワフルな演奏で『移民の歌』や『天国への階段』など数々のヒット曲で強烈な個性を発揮しましたが、その急死を受けてバンドは解散することになりました。
『レッツ・ゴー・クレイジー』プリンス
Let’s Go Crazy – Prince & The Revolution 1984年
ドラム:ボビーZ Robert B. Rivkin
自叙伝的映画『パープル・レイン』からのヒット曲。プリンスは、ジェームス・ブラウンの遺伝子を受け継ぐ天才にして、ギターもドラムもダンスも超一流のマルチ・プレーヤーです。『ビートに抱かれて』など最も多作なアーティストの一人。ファンクやロックなどアフロアメリカンと白人の音楽性を融合した唯一無二のサウンドで、日本ではその才能に敬意を表して「殿下」と呼ばれています。
『ユー・ガット・ザ・ラヴ』ルーファス&チャカ・カーン
You Got The Love – Rufus & Chaka Khan 1974年
ドラム:ジョン・ロビンソン John “JR” Robinson
ファンク史に燦然と輝く曲。ドラムのジョン・ロビンソンは最も多く録音されたスタジオ・ミュージシャンの1人として知られ、ロック、ポップ、R&Bなど様々なスタイルに対応でき、マイケル・ジャクソンの『Off The Wall』やエリック・クラプトンの『Change The World』など50のグラミー受賞作品に参加しています。
『今夜はビート・イット』マイケル・ジャクソン
Beat It – Michael Jackson 1982年
ドラム:‘キング’ジェフ・ポーカロ Jeff Porcaro
「キング・オブ・ポップ」の代表作。映画『ウェストサイド物語』に着想を得たMVもかっこいいです。ハードロックとR&Bの融合が特徴的で、ギターはエディ・ヴァン・ヘイレン、ドラムはジェフ・ポーカロが担当。『アフリカ』などで知られるAORバンドTOTOのグルーヴマスターとして大成功を収め、スタジオ・ミュージシャンとしても数々のヒット作に参加しました。
【番外編】スコット先生おすすめドラムの名手
有名バンドや重鎮スタジオミュージシャンなど、素晴らしいドラマーはまだまだ沢山います。ジャンルは様々ですが、プレイに個性があってとても参考になります。興味がある方はぜひ調べてみて、好きなドラマーを見つけてくださいね。
- カール・パーマー Carl Palmer エイジア
- ハル・ブレイン Hal Blaine エルヴィス・プレスリー 『好きにならずにいられない』、ザ・ロネッツ 『ビー・マイ・ベイビー』など
- アル・ジャクソン・ジュニア Al Jackson Jr.
- バーナード・パーディ Bernard Purdie
- ジャボ・スタークス John “Jabo” Starks
- ジョナサン・モフェット Jonathan Phillip “Sugarfoot” Moffett
- ジョン・ブラックウェル・ジュニア John Blackwell Jr. プリンス
- アレックス・ヴァン・ヘイレン Alex van Halen ヴァン・ヘイレン
- ジンジャー・ベイカー Ginger Baker クリーム
- チャド・スミス Chad Smith レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
- スティーブ・ジョーダン Steve Jordan
- スティーブ・ガッド Steve Gadd
- スティーブ・フェローン Steve Ferrone トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ
- グレッグ・エリコ Greg Errico スライ&ザ・ファミリー・ストーン
- ケニー・アロノフ Kenny Aronoff
- デニス・チェンバース Dennis Chambers
- マックス・ウェンバーグ Max Weinberg ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド
- ヴィニー・カリウタ Vinnie Colaiuta
- ディビッド・ガリバルディ David Garibaldi タワー・オブ・パワー
- フィル・コリンズ Phil Collins ジェネシス元ドラマー/ボーカル
- ジム・ケルトナー Jim Keltner
- スティーブ・スミス Steve Smith ジャーニー
- ジェームス・ギャドソン James Gadson
- デイブ・グロール Dave Grohl ニルヴァーナの元ドラマー、フーファイターズのフロントマン(ボーカル兼ギター)
- イアン・ペイス Ian Paice ディープ・パープル
- スチュワート・コープランド Stewart Copeland ポリス
- ミッチ・ミッチェル Mitch Mitchell ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス